〔第15問〕(配点:3)
次の【事例】について述べた後記アからオまでの【記述】のうち、正しいものには1を、誤っているものには2を選びなさい。ただし、判例がある場合には、それに照らして考えるものとする。(解答欄は、アからオの順に[№21]から[№25])【事例】被告人甲は、自宅において、同居の妻である被害者Vに対し、「殺してやる。」と言いながらその胸部を果物ナイフで刺突して殺害しようとしたが傷害を負わせたにとどまったという殺人未遂の事実について起訴された。検察官は、①犯行現場の実況見分調書、②Vによる被害再現状況を撮影した写真が添付された捜査報告書、③犯行現場で押収された果物ナイフ、④Vの怪我の状況を撮影した写真が添付された実況見分調書の証拠調べを請求するとともに、あらかじめ弁護人にこれらを閲覧する機会を与えた。弁護人は、①について同意、②及び④について不同意、③について証拠調べに異議がない旨の意見を述べ、裁判所は、①及び③を証拠として採用し、証拠調べを行った。その後、検察官の請求によりVの証人尋問が実施され、Vは、自宅にあった果物ナイフで甲から胸部を刺された被害状況やその際の甲・Vの位置関係について②の捜査報告書に添付された被害再現写真と同趣旨の内容を具体的に証言したが、犯行時の甲の発言については「よく覚えていない。」旨証言した。また、検察官の請求により、④を作成した警察官Xの証人尋問が実施された。【記述】
ア.検察官は、犯行時の甲・Vの位置関係に関するVの供述を明確にするため必要がある場合において、弁護人に異議がないときに限り、下線部①の実況見分調書に添付された現場見取図をVに示して尋問することができる。[№21]
イ.検察官は、「殺してやる。」という甲の発言に関するVの記憶を喚起するため必要がある場合であっても、主尋問において誘導尋問をしてはならない。[№22]
ウ.検察官は、被害状況に関するVの供述を明確にするため必要がある場合において、裁判長の許可を受けて、下線部②の捜査報告書に添付された被害再現写真をVに示すことができる。[№23]
エ.検察官は、下線部③の果物ナイフにつき、犯行に使用された果物ナイフとの同一性をVに尋問する場合において必要があるときは、裁判長の許可を受けずにこれを示すことができる。[№24]
オ.検察官は、証拠調べが終わっていない下線部④の実況見分調書をXに示して、その成立の真正について尋問することは許されない。[№25]