解説

〔第5問〕(配点:2)

学生A及びBは、【事例】について、【会話】のとおり議論している。【会話】中の①から⑦までの( )内に【語句群】から適切なものを入れた場合、正しいものの組合せは1から5までのうちどれか。なお、①から⑦までの( )内には、それぞれ異なるものが入る。(解答欄は、[No.7])

【事 例】

甲は、実際にはXが甲に殴りかかってきてはいないのに、Xが素手で甲に殴りかかってきたものと誤信し、自己の身を守る意思で、近くにあった金属バットでXを殴打して重傷を負わせた。甲の殴打行為は、仮にXが本当に甲に素手で殴りかかってきていたとしても、それに対する防衛手段としての相当性を逸脱していた。甲は、金属バットでXを殴打している事実について認識していた。

【会 話】

学生A.まず、【事例】を考える前提として、急迫不正の侵害がないのにあると誤信した場合について、あなたはどう考えますか。

学生B.その場合、(①)が問題となり、違法性阻却事由を基礎付ける事実の存在について誤信しているので事実の錯誤であり、(②)が阻却され、誤信したことについて(③)があったと認められれば、(④)と考えます。

学生A.では、【事例】の場合にも、甲に(④)と考えるのですか。

学生B.いいえ。私は、判例と同じ立場を採り、甲に(⑤)罪が成立すると考えます。

学生A.あなたは、なぜそのように考えるのですか。

学生B.【事例】では、甲は、素手で殴りかかってきたXを金属バットで殴るということを認識しているところ、(⑥)からです。

学生A.【事例】で、刑法第36条第2項が適用又は準用されるかについてどう考えますか。

学生B.私は、判例同様、(⑦)と考えます。

【語句群】

a.誤想防衛

b.過剰防衛

c.違法性

d.故意

e.過失

f.やむを得ない事由

g.故意犯が成立する

h.過失犯が成立する

i.傷害

j.過失傷害

k.違法性阻却事由の錯誤は故意を阻却しないので、過剰事実についての認識の有無にかかわらず故意犯が認められる

l.急迫不正の侵害の誤信がなければ過剰な防衛行為もなかったであろうから、急迫不正の侵害の誤信の点が行為全体について支配力を持ち、行為を全体的に把握すると過失犯的性格を持つ

m.過剰事実についての認識がある場合には行為者の認識内容は過剰防衛であり、違法性を基礎付ける事実についての認識があるため故意犯が認められる

n.刑法第36条第2項によって刑が減免され得る

o.刑法第36条第2項の適用も準用もされない

出典:法務省ウェブサイト(問題PDF)/法務省公表の問題を整形して収録しています。

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