〔第10問〕(配点:2)
憲法第24条に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[№22])
ア.憲法第24条第1項は,婚姻については当事者間の自由かつ平等な意思決定に委ねられるべきであるとの趣旨を明らかにしたものであるから,婚姻に関する法制度の内容が意に沿わないことを理由として婚姻しない者が生じるのであれば,その法制度を定めた法律は,憲法第24条第1項の趣旨に沿わない制約を課しているものとの評価を免れないことになる。
イ.憲法第24条第2項は,婚姻及び家族に関する事項について,具体的な制度の構築を第一次的には国会の合理的な立法裁量に委ねるとともに,その立法に当たっては,個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚すべきであるとする要請,指針を示すことによって,その裁量の限界を画したものである。
ウ.憲法第24条は,婚姻及び家族に関する立法において,憲法上の権利として保障される人格権を不当に侵害せず,かつ,両性の形式的な平等が保たれた内容の法律の制定を求めるにとどまらず,憲法上直接保障された権利とまではいえない人格的利益をも尊重すべきこと,両性の実質的な平等が保たれるように図ること等についても十分に配慮した法律の制定を求めるものである。
№22