〔第12問〕(配点:2)
アからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合、誤っているものの個数を1から5までの中から選びなさい。(解答欄は、[No.14])
ア.甲は、A株式会社の代表取締役である実母Bが管理するA社所有の絵画を窃取した。この場合、甲に窃盗罪が成立するが、上記絵画の占有者Bは甲の実母であり、刑法第244条第1項が適用されるから、その刑は免除される。
イ.甲は、家庭裁判所から孫Aの未成年後見人に選任されたが、後見の事務として業務上預かり保管中のAの預金を引き出して自己の借金の返済に充てた。この場合、甲に業務上横領罪が成立するが、Aは甲の直系血族であり、刑法第244条第1項が準用されるから、その刑は免除される。
ウ.甲は、祖父Aが所有し、管理している現金をAから強取した。この場合、甲に強盗罪が成立するが、刑法第244条第1項は強盗罪にも適用されるから、その刑は免除される。
エ.甲は、留守中のA方に侵入して窃盗の実行に着手したが、Aが帰宅したため、Aから金品を強取しようと考え、反抗を抑圧するに足りる程度の暴行をAに加え、A方内にある現金を奪った。この場合、甲はAに対する暴行を加える前に窃盗の実行に着手しているから、甲に事後強盗罪が成立する。
オ.甲は、留守中のA方に侵入して窃盗の実行に着手したが、金品を領得する前にAが帰宅したため、逮捕を免れる目的で、反抗を抑圧するに足りる程度の暴行をAに加え、逃走した。この場合、甲は金品を領得していないから、甲に事後強盗未遂罪が成立する。