〔第1問〕(配点:3)
次の対話は、刑事収容施設被収容者に対する人権の制約に関する教授と学生の対話である。教授の各質問に対する次のアからウまでの学生の各回答について、それぞれ正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は、アからウの順に[No.1]から[No.3])
教授.まず、刑事収容施設内における被収容者の喫煙の自由が認められるか否かについて伺います。最高裁判所は、未決勾留による被拘禁者の喫煙を制限することの合憲性が争われた事件の判決(最高裁判所昭和45年9月16日大法廷判決、民集24巻10号1410頁)において、どのような判断をしていますか。
ア.たばこは単なる嗜好品であることからも、喫煙の自由が憲法第13条の保障する基本的人権に含まれるものではないことを明示し、施設内における喫煙制限の措置は、そもそも憲法上の権利を制約するものではないとしています。[No.1]
教授.次に、新聞紙等の閲読について伺います。最高裁判所は、未決勾留による被拘禁者の新聞紙の閲読を制限することの合憲性が争われた事件の判決(最高裁判所昭和58年6月22日大法廷判決、民集37巻5号793頁)において、新聞紙等を閲読する自由の制限が認められるか否かを審査するに当たり、いかなる判断枠組みを示していますか。
イ.被拘禁者の新聞紙や図書等を閲読する自由の制限が許されるためには、その閲読を許すことにより施設内の規律及び秩序を維持する上で放置できない程度の障害が生じる相当の蓋然性があると認められることが必要であるとしています。[No.2]
教授.では、信書の発信をめぐってはどうでしょうか。最高裁判所は、受刑者による親族以外への信書の発信を不許可としたことの合憲性が争われた事件の判決(最高裁判所平成18年3月23日第一小法廷判決、集民219号947頁)において、いかなる結論を出しているのかについて説明してください。
ウ.受刑者による親族でない者との間の信書の発受は、受刑者の身柄の確保、受刑者の改善、更生の点において障害が生じる一般的、抽象的おそれがあることから、刑務所長が信書の発信を不許可としたことは違憲ではないとしています。[No.3]