最高裁判所
札幌病院長自殺事件
最判 平成9年9月9日 ・ 民集51巻8号3850頁
51 条免責特権 + 国賠 + 議員の発言と国の賠償責任
- 裁判年月日
- 1997-09-09
- 出典
- 民集51巻8号3850頁
事案の概要
AI 要約この概要は AI が生成した事案の把握用ノートです。法的解釈や判旨の要約ではありません。 判旨・理由付けは必ず判決全文を確認してください。
昭和 60 年 11 月 21 日、 参議院社会労働委員会において竹村泰子議員が、 ある 精神病院の院長 A が女性入院患者に対し繰り返し痴漢行為を行っていた疑いがある 旨を質疑したところ、 その翌日に A が自殺した。 A の妻 X が、 (i) 議員個人に 対し民法 709 条に基づく不法行為損害賠償を、 (ii) 国に対し国家賠償法 1 条 1 項 に基づく損害賠償を求めた事案。 最高裁は、 (1) 議員個人に対する民事責任請求に ついては、 憲法 51 条「両議院の議員は、 議院で行つた演説、 討論又は表決に ついて、 院外で責任を問はれない」 の 免責特権 により議員個人は民事責任を 負わない、 (2) 国の損害賠償責任については議員個人の免責特権とは別問題であり、 国会議員が国会で行った質疑等につき国家賠償法 1 条 1 項の適用上違法と評価される のは、 議員がその権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したと認め得るような 特別の事情 がある場合 (例えば違法・不当な目的をもって事実を摘示し、 あるいは 虚偽であることを知りながら敢えてその事実を摘示するなど) に 限られる、 (3) 本件では当該特別事情が認められないとして、 国の賠償責任も否定 (上告棄却)。 すなわち判例は、 議員の発言が個人の名誉を毀損する場合でも国賠が成立する 余地 は残しつつ、 成立要件を「特別の事情」 に厳格に限定する立場を採用。 議員の 免責特権を理由として「国の賠償責任を一切否定する」 ものではない点に注意。 司法 試験・予備試験で「51 条免責特権 + 国賠 + 議員の発言」 論点のリーディングケース。
関連条文
関連論点
- 国家賠償・17条