〔第3問〕(配点:3)

法の下の平等に関する次のアからウまでの各記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして、それぞれ正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は、アからウの順に[No.3]から[No.5])

ア.国民への課税要件等を定めるには、極めて専門技術的な判断を要するため、租税法の分野における所得の性質の違い等を理由とする取扱いの区別については、その立法目的が正当なものであり、かつ、当該立法において具体的に採用された区別の態様が目的との関連で著しく不合理であることが明らかでない限り、その合理性は否定できず、憲法第14条に違反しない。[No.3]

イ.生存権は、生存に直結する権利であり精神的自由に準ずる権利である一方、これを具体化するための立法には高度の専門技術的な政策的判断を要するところ、併給調整条項の適用により、障害福祉年金の受給者と非受給者との間で児童扶養手当の受給に関する区別が生じるとしても、立法目的に合理的な根拠があり、かつ、立法目的と当該区別との間に実質的関連性が認められ、合理的理由のない差別とはいえないから、憲法第14条に違反しない。[No.4]

ウ.相続制度をどのように定めるかは、国の伝統、社会事情、国民感情や、その国における婚姻ないし親子関係に対する規律、国民の意識等を総合的に考慮するなど立法府の合理的な裁量判断に委ねられているが、嫡出性の有無による法定相続分の区別は、立法府に与えられた上記のような裁量権を考慮しても、こうした区別をすることについて合理的な根拠が認められないから、合理的理由のない差別として、憲法第14条に違反する。[No.5]

No.3

No.4

No.5