〔第2問〕(配点:2)

私人間における人権保障に関する次のアからウまでの各記述について、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は、[No.2])

ア.最高裁判所は、株式会社による政党への政治資金の寄附が、国民の選挙権の自由な行使を直接に侵害するものであるとしつつ、会社にも政治活動の自由が保障されるため、当該侵害は社会的許容性の限度を超えるものではないと判断されることから、当該寄附が公序良俗に違反すると解することはできないとした。

イ.最高裁判所は、株式会社の就業規則において女子の定年年齢を男子より低く定める部分が、専ら女子であることのみを理由として差別したことに帰着するものとして、公序良俗に違反し無効であると解するに当たって、個人の尊厳と両性の本質的平等を解釈の基準として定める民法の規定とともに、法の下の平等を定める憲法第14条第1項を参照した。

ウ.最高裁判所は、下級裁判所が、一定の集団に属する者の全体に対して人種差別的な発言をした者に対し、人種差別撤廃条約並びに同条約に照らして解釈される憲法第13条及び第14条第1項は私人相互の関係にも直接適用されるとして、民法第709条の規定により高額の損害賠償を命じた事例において、上告を棄却した。