〔第4問〕(配点:3)
信教の自由に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№6]から[№8])
ア.輸血以外に救命手段がない場合には輸血を拒否するという意思決定を尊重すべきとはいえないので,患者が,輸血を受けることは自己の宗教上の信念に反するとして,輸血を伴う医療行為を拒否するとの明確な意思を有していたとしても,このような意思決定をする権利は,人格権としての保護に値しない。[№6]
イ.信仰上の理由から剣道実技の履修を拒否した高等専門学校の生徒に対して学校長が行った原級留置処分及び退学処分は,履修拒否が生徒の信仰の核心部分と密接に関連する真しな理由からのものであり,代替措置の申入れに対して学校側はそれが不可能でないのに何ら検討することなく拒否したなどという事情の下では,裁量権の範囲を超えて違法である。[№7]
ウ.宗教法人に対する解散命令のような法的規制は,たとえ信者の宗教上の行為を法的に制約する効果を伴わないとしても,これに何らかの支障を生じさせることがあり得ることから,信教の自由の重要性に鑑み,憲法上,そのような規制が許容されるものであるかどうかは慎重に吟味しなければならない。[№8]
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