司法試験予備試験 / 刑法・刑事訴訟法(短答)
2021年(令和3年) 司法試験予備試験 刑法・刑事訴訟法(短答式) 第7問 解説
解説
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▸問題と選択肢
〔第7問〕(配点:2)
刑法第65条について,学生A,B及びCが次の【会話】のとおり議論している。
【会話】中の①から⑪までの( )内に後記【語句群】から適切な語句を入れた場合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。なお,①から⑪までの( )内にはそれぞれ異なる語句が入る。(解答欄は,[No.9])
【会 話】
学生A.私は,「違法の連帯性,責任の個別性」の原則を強調する立場から,(①)と考えます。
学生B.A君の見解には,(②)との批判がありますね。私は,刑法第65条第1項が「共犯とする」,同条第2項が「通常の刑を科する」とそれぞれ規定していることに着目し,(③)と考えます。
学生C.ただ,B君の見解には,(④)との批判がありますね。刑法第65条第1項が身分によって構成すべき犯罪を問題とし,同条第2項が身分によって刑の軽重がある犯罪を問題としていることに着目し,(⑤)と考えるべきではないかな。
学生B.でも,C君の見解にも,(⑥)との批判がありますね。ところで,C君の見解だと,甲が知人の乙を唆して乙の嬰児の生存に必要な食事をさせなかった事例では,甲の罪責はどうなりますか。
学生C.私は,刑法第217条(遺棄)と同法第218条(保護責任者遺棄等)の「遺棄」とは,行為者と要扶助者との間の場所的離隔を生じさせることをいい,同法第217条では作為による遺棄のみが処罰されていると考え,また,同法第218条の「必要な保護をしなかった」とは,場所的離隔を生じさせることなく要扶助者を不保護状態に置くことをいうと考えます。そうすると,同条の罪のうち,作為による保護責任者遺棄罪は(⑦)犯,保護責任者不保護罪は(⑧)犯になるため,乙とその嬰児との間に場所的離隔が生じていない本件では,甲には(⑨)と考えます。
学生A.しかし,C君の見解では,甲が乙を唆して乙の嬰児を山に捨てさせた事例では,甲に(⑩)ため,不均衡な結論になるのではないかな。私は,保護責任者という身分は,必要な保護をしなかったことの違法性を基礎付け,遺棄の違法性を加重するため,(⑪)と考えます。したがって,私の見解からは,いずれの事例でも,甲には(⑨)と考えます。
【語句群】
a.刑法第65条第1項は真正身分犯の成立及び科刑についての規定であり,同条第2項は不真正身分犯の成立及び科刑についての規定である
b.刑法第65条第1項は身分が違法性に関係する場合についての規定であり,同条第2項は身分が責任に関係する場合についての規定である
c.刑法第65条第1項は真正身分犯・不真正身分犯を通じて共犯の成立についての規定であり,同条第2項は不真正身分犯の科刑についての規定である
d.犯罪の成立と科刑が分離されることになる
e.真正身分犯が身分を連帯的に作用させ,不真正身分犯が身分を個別的に作用させることの実質的根拠が明らかでない
f.身分が違法性に関係する場合と責任に関係する場合を区別することは困難
g.責任身分
h.違法身分
i.真正身分
j.不真正身分
k.刑法第218条の罪の教唆犯が成立する
l.刑法第217条の罪の教唆犯が成立する
- 1.①b ⑤a ⑨k
- 2.②d ⑥e ⑪h
- 3.②f ⑦i ⑧j
- 4.③c ④d ⑪g
- 5.③c ⑥f ⑩l
先に問題を解いてから答え合わせをすることをおすすめします。 まず問題を解くか、準備ができたら解答と解説を表示してください。
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出典:法務省ウェブサイト(問題PDF)/法務省公表の問題を整形して収録しています。