解説

〔第34問〕(配点:2)

Xは、Yに対し、1000万円を貸し付けたと主張し(以下、X主張の貸付けに係る貸金返還請求権を「甲債権」という。)、一部請求であることを明示して、消費貸借契約に基づく貸金返還請求として700万円の支払を求める訴えを提起した。これに対し、Yは、請求棄却の判決を求め、当該貸付けの事実を否認するとともに、Xに対して700万円の不当利得返還請求権を有しているとして(以下、Y主張の不当利得返還請求権を「乙債権」という。)、これを自働債権とする相殺の抗弁を主張した。この事例に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[№35])

ア.裁判所は、甲債権の額が1000万円であり、乙債権の額が700万円であると認定した上で、甲債権及び乙債権が相殺により対当額で消滅し、乙債権は消滅し、甲債権の残存額が300万円であるとして、Xの請求について、300万円の支払を求める限度で認容し、その余の請求を棄却する判決をし、同判決は、確定した。この場合において、甲債権に関しては、300万円の存在及び700万円の不存在について既判力が生ずる。

イ.裁判所は、甲債権の額が1000万円であり、乙債権の額が700万円であると認定した上で、甲債権及び乙債権が相殺により対当額で消滅し、乙債権は消滅し、甲債権の残存額が300万円であるとして、Xの請求について、300万円の支払を求める限度で認容し、その余の請求を棄却する判決をし、同判決は、確定した。この場合において、乙債権に関しては、700万円の不存在について既判力が生ずる。

ウ.裁判所は、甲債権の額が1000万円であり、乙債権の額が300万円であると認定した上で、甲債権及び乙債権が相殺により対当額で消滅し、乙債権は消滅し、甲債権の残存額が700万円であるとして、Xの請求を全部認容する判決をし、同判決は、確定した。この場合において、甲債権に関しては、700万円の存在について既判力が生ずる。

エ.裁判所は、甲債権の額が1000万円であり、乙債権の額が300万円であると認定した上で、甲債権及び乙債権が相殺により対当額で消滅し、乙債権は消滅し、甲債権の残存額が700万円であるとして、Xの請求を全部認容する判決をし、同判決は、確定した。この場合において、乙債権に関しては、既判力が生じない。

オ.裁判所は、甲債権の額が700万円であり、乙債権の額が300万円であると認定した上で、甲債権及び乙債権が相殺により対当額で消滅し、乙債権は消滅し、甲債権の残存額は400万円であるとして、Xの請求について、400万円の支払を求める限度で認容し、その余の請求を棄却する判決をし、同判決は、確定した。この場合において、乙債権に関しては、700万円の不存在について既判力が生ずる。

出典:法務省ウェブサイト(問題PDF)/法務省公表の問題を整形して収録しています。

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