最高裁判所第二小法廷

富士銀行貸出稟議書事件

最決 平成11年11月12日 ・ 民集53巻8号1787頁

自己利用文書 + 法律関係文書

裁判年月日
1999-11-12
事件番号
平成11(許)2
出典
民集53巻8号1787頁

事案の概要

X の承継人が富士銀行 (Y) に対して提起した損害賠償請求訴訟において、 Y の所持する貸出稟議書及び本部認可書について文書提出命令の申立てがされた事案。 申立人は、本件文書が民訴 220 条 3 号後段の文書に該当し、 かつ「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」 に当たらない同条 4 号 (決定当時ハ、 現行ニ) の文書に該当すると主張した。最高裁第二小法廷は、 ある文書が、 作成目的・記載内容・所持経緯その他の事情から判断して、 専ら内部の者の利用に供する目的で作成され外部の者に開示することが予定されていない文書であって、 開示されると個人のプライバシーが侵害されたり自由な意思形成が阻害されたりするなど所持者の側に看過し難い不利益が生ずるおそれがあると認められる場合には、 特段の事情がない限り「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」 に当たると判示し (裁判要旨一)、 銀行の貸出稟議書は特段の事情がない限りこれに当たるとした (裁判要旨二)。 3 号後段との関係については、 判決全文第四項が、 本件文書が「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」 に当たると解される以上 3 号後段の文書に該当しないことはいうまでもない、 と述べている (= 両号の優劣ではなく該当性の排他)。

この判例が出た過去問を解く(1 問)

関連条文

ソース