司法試験予備試験 / 刑法・刑事訴訟法(短答)
2020年(令和2年) 司法試験予備試験 刑法・刑事訴訟法(短答式) 第19問 解説
解説
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▸問題と選択肢
〔第19問〕(配点:2)
次のⅠないしⅢの【見解】は,逮捕・勾留の要件が備わらないA事実での逮捕・勾留に先立って,逮捕・勾留の要件が備わっているB事実で逮捕・勾留する場合の適法性に関するものである。
【見解】に関する後記アからオまでの【記述】のうち,誤っているものは幾つあるか。後記1から6までのうちから選びなさい。(解答欄は,[№29])
【見解】
Ⅰ.B事実について逮捕・勾留の要件が備わっているか否かを基準に適法性を判断すべきであり,捜査機関がB事実による逮捕・勾留中に主としてA事実の取調べを行う意図であるか否かは,B事実による逮捕・勾留の適法性に直接には影響せず,B事実について逮捕・勾留の理由と必要性が備わっている限り,裁判官はB事実での逮捕状請求や勾留請求を認容すべきである。
Ⅱ.逮捕・勾留の基礎となっているB事実の背後にあるA事実に着目して適法性を判断すべきであり,捜査機関がB事実に名を借りて実質的にはA事実の取調べを行う意図であることがうかがわれる場合には,B事実についての逮捕・勾留の理由と必要性が備わっていたとしても,裁判官はB事実での逮捕状請求や勾留請求を却下すべきである。
Ⅲ.B事実によって逮捕・勾留された後の身体拘束期間が,主としてA事実の捜査のために利用されるに至った場合には,それ以降の身体拘束は,B事実による逮捕・勾留としての実体を失い,A事実による身体拘束となっていると評価され,A事実による逮捕・勾留の要件が欠けるため違法である。
【記述】
ア.Ⅰの見解に対しては,捜査機関による身体拘束の濫用という脱法的本質を無視する考えであるとの批判がある。
イ.Ⅱの見解は,厳格な身体拘束期間の潜脱行為に対する事前防止を重視する立場である。
ウ.Ⅱの見解からは,仮にA事実について逮捕・勾留の理由と必要性が備わっている場合には,A事実の取調べを行う意図でB事実により逮捕・勾留することも適法となる。
エ.Ⅲの見解からは,B事実による身体拘束期間中に捜査機関がB事実の取調べと並行してA事実の取調べを行った場合,B事実による逮捕・勾留は常に違法となる。
オ.Ⅲの見解に対しては,裁判官が逮捕状請求や勾留請求の審査をするに当たってまず捜査機関の意図を調べなければならないことは実際的でないとの批判がある。
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出典:法務省ウェブサイト(問題PDF)/法務省公表の問題を整形して収録しています。