〔第12問〕(配点:2)
偽証罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものはどれか。(解答欄は、[№14])
№14
1.自己が被告人となっている窃盗被告事件につき、知人を教唆して偽証行為を行わせた場合、他人の行為を利用して自ら虚偽を述べたに等しく、被告人が自己の刑事事件につき虚偽を述べても罪にならないから、偽証罪の教唆犯は成立しない。
2.証人が殊更記憶に反する陳述をした場合、その他の証拠からその陳述内容が真実と認められるのであれば、国の審判作用は害されないから、偽証罪は成立しない。
3.共犯者が被告人となっている詐欺被告事件に証人として出廷し、証言拒絶権を行使せずに宣誓して自己の犯罪事実に関して虚偽の陳述をした場合、同証人には自己負罪拒否特権があるから、偽証罪は成立しない。
4.証人がした虚偽の陳述が裁判の結果に影響しなかった場合、国の審判作用に対する具体的な危険が発生しなかったといえるから、偽証罪は成立しない。
5.「宣誓の趣旨を理解することができない者」(刑事訴訟法第155条第1項)に誤って証人として宣誓させた上、その者が虚偽の陳述をした場合、偽証罪の「宣誓」は適法になされなければならないから、同罪は成立しない。(参照条文)刑事訴訟法第155条宣誓の趣旨を理解することができない者は、宣誓をさせないで、これを尋問しなければならない。2(略)