〔第8問〕(配点:2)
占有権に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[No.8])
ア.Aが自己所有の甲土地につき宅地造成工事を開始したために,隣接する乙土地に危険が生じている場合,乙土地に居住するBは,工事開始時から1年が経過したときであっても,工事が完成する前であれば,Aに対して占有保全の訴えを提起することができる。
イ.Aが占有していた動産甲をBが奪取した場合において,Bが甲の所有者であることが明らかになったときは,Aによる占有回収の訴えは認められない。
ウ.AがB所有の動産甲を無断でCに賃貸した後,Cの責めに帰すべき事由によって甲が損傷した場合,Bから甲の返還を求められたCは,甲の所有者がAであると過失なく信じていたとしても,その損害の全部の賠償をしなければならない。
エ.Aが,自己が占有する動産甲をBに売却し,甲を以後Bのために占有する旨の意思を表示したときは,Bは,甲の占有権を取得する。
オ.動産甲をその所有者Aから賃借して占有していたBが,Aとの間で,Aから甲を買い受けてAの占有権を譲り受ける旨の合意をしたときは,Bの占有は,自主占有となる。
No.8