最高裁判所大法廷
酒酔い・無免許運転と観念的競合
最大判 昭和49年5月29日 ・ 刑集28巻4号151頁
54 条 1 項前段
- 裁判年月日
- 1974-05-29
- 事件番号
- 昭和46(あ)1590
- 出典
- 刑集28巻4号151頁
事案の概要
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被告人が同一の日時場所において、無免許で、かつ酒に酔った状態で自動車を運転した事案。無免許運転の罪 (当時の道路交通法 64 条・118 条 1 項 1 号) と酒酔い運転の罪 (同法 65 条 1 項・117 条の 2 第 1 号) の罪数関係 (観念的競合か併合罪か) が争われた。最高裁大法廷は、(a) 1 個の行為: 刑法 54 条 1 項前段にいう「1 個の行為」 とは、法的評価を離れ構成要件的観点を捨象した 自然的観察 のもとで、行為者の動態が 社会的見解上 1 個のものとの評価 を受ける場合をいう、(b) 当てはめ: 無免許で、かつ酒に酔った状態であったことはいずれも 車両運転者の属性にすぎない から、その運転は社会的見解上明らかに 1 個の車両運転行為であり、両罪は刑法 54 条 1 項前段の 観念的競合 の関係にある、と判示した (= 両罪を併合罪としていた従前の最高裁判例を変更)。同日の大法廷判決 (昭和47(あ)1896、刑集 28 巻 4 号 114 頁) が酒酔い運転と業務上過失致死を併合罪としたのと対をなす、罪数論の基本判例。