PassFinderマイページ
問題ページへ

司法試験予備試験 / 刑法・刑事訴訟法(短答)

2023年 司法試験予備試験 刑法・刑事訴訟法(短答式) 第11問 解説

  • 刑法総論
  • 判例

解説

AI 生成

この解説は AI が生成したものです。誤りが含まれる可能性があるため、条文・判例などの一次資料を必ず確認のうえ、最終的な判断はご自身で行ってください。

問題と選択肢

〔第11問〕(配点:2)

次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[№13])

ア.甲は、Aが居住するA所有の家屋に放火し、同家屋を全焼させた上、同家屋に隣接するBが居住するB所有の家屋にも火を燃え移らせて同家屋を全焼させた。この場合、甲には2個の現住建造物等放火罪が成立し、これらは観念的競合となる。

イ.甲は、行使の目的で1万円札を偽造し、Aが経営する商店において、事情を知らないAに対し、1万円の商品の購入を申し込み、その代金として偽造の1万円札をAに手渡して同商品の交付を受けた。この場合、甲には通貨偽造罪、偽造通貨行使罪及び詐欺罪が成立し、これらは牽連犯となる。

ウ.暴力団員甲及び乙は、対立する暴力団員A及びBを襲撃して殺害することを共謀し、路上を連れ立って歩いていたA及びBを待ち構えた上で、甲がAを、乙がBを、それぞれ殺害した。この場合、甲及び乙を共同正犯とする2個の殺人罪が成立し、これらは併合罪となる。

エ.甲は、酒に酔った状態で、自動車を無免許で運転した。この場合、甲には酒酔い運転の罪と無免許運転の罪が成立し、これらは観念的競合となる。

オ.甲は、恐喝目的でAを監禁し、監禁のための暴行等により畏怖しているAを更に脅迫して現金を喝取した。この場合、監禁罪と恐喝罪が成立し、これらは牽連犯となる。

  1. 1.アイ
  2. 2.アウ
  3. 3.イオ
  4. 4.ウエ正解
  5. 5.エオ

正解: 4

罪数論 (観念的競合・牽連犯・併合罪・包括一罪) の判例実務を肢ごとに当てはめる問題。1 個の行為か数個の行為か、罪質的に手段結果の関係に立つか、を判例の立場から検討する。

ア. 誤り。現住建造物等放火罪 (刑法 108 条) は公共の安全を保護法益とする公共危険犯であり、判例実務上、1 個の放火行為で複数の家屋を焼損させても公共の危険は 1 個と評価され、1 個の現住建造物等放火罪 が成立するにとどまる (包括一罪)。2 個の放火罪が成立して観念的競合になるとする本肢は誤り。

イ. 誤り。通貨偽造罪 (刑法 148 条 1 項) と偽造通貨行使罪 (同条 2 項) は手段と結果の関係に立ち牽連犯となるが、偽造通貨を行使して財物を騙取した場合、判例実務上、偽造通貨行使罪に詐欺罪は吸収される (法条競合ないし包括一罪) と解されており、詐欺罪は別個には成立しない。3 罪が成立し全体が牽連犯になるとする本肢は誤り。

ウ. 正しい。甲乙が共謀のうえ A・B をそれぞれ殺害した場合、A の殺害と B の殺害は 別個の殺害行為 であり、刑法 60 条により各殺害につき殺人罪 (刑法 199 条) の共同正犯が成立する。同一の機会に行われていても 2 個の行為で 2 個の法益侵害が発生している以上、各人について 併合罪 (刑法 45 条前段) となる。

エ. 正しい。1 個の運転行為が酒酔い運転 (道路交通法違反) と無免許運転 (道路交通法違反) の 2 罪に同時に該当するから、刑法 54 条 1 項前段の 観念的競合 となる (判例実務上の確立した立場、最大判昭和49.5.29)。1 個の行為が 2 個の罪名に触れる典型例として押さえる。

オ. 誤り。判例実務 (最決平成17.4.14) は、恐喝の手段として監禁が 通常用いられる関係にない として、両者の通例的な手段結果関係を否定した。したがって監禁罪 (刑法 220 条) と恐喝罪 (刑法 249 条) は牽連犯にならず、併合罪 となる。牽連犯とする本肢は誤り。

正しいのはウ・エ。よって正解は 4。

解説の評価

2023年 刑法・刑事訴訟法(短答) の他の解説19