司法試験予備試験 / 刑法・刑事訴訟法(短答)
2023年 司法試験予備試験 刑法・刑事訴訟法(短答式) 第12問 解説
- 刑法各論
- 判例
解説
AI 生成この解説は AI が生成したものです。誤りが含まれる可能性があるため、条文・判例などの一次資料を必ず確認のうえ、最終的な判断はご自身で行ってください。
▸問題と選択肢
〔第12問〕(配点:2)
偽証罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものはどれか。(解答欄は、[№14])
- 1.自己が被告人となっている窃盗被告事件につき、知人を教唆して偽証行為を行わせた場合、他人の行為を利用して自ら虚偽を述べたに等しく、被告人が自己の刑事事件につき虚偽を述べても罪にならないから、偽証罪の教唆犯は成立しない。
- 2.証人が殊更記憶に反する陳述をした場合、その他の証拠からその陳述内容が真実と認められるのであれば、国の審判作用は害されないから、偽証罪は成立しない。
- 3.共犯者が被告人となっている詐欺被告事件に証人として出廷し、証言拒絶権を行使せずに宣誓して自己の犯罪事実に関して虚偽の陳述をした場合、同証人には自己負罪拒否特権があるから、偽証罪は成立しない。
- 4.証人がした虚偽の陳述が裁判の結果に影響しなかった場合、国の審判作用に対する具体的な危険が発生しなかったといえるから、偽証罪は成立しない。
- 5.「宣誓の趣旨を理解することができない者」(刑事訴訟法第155条第1項)に誤って証人として宣誓させた上、その者が虚偽の陳述をした場合、偽証罪の「宣誓」は適法になされなければならないから、同罪は成立しない。(参照条文)刑事訴訟法第155条宣誓の趣旨を理解することができない者は、宣誓をさせないで、これを尋問しなければならない。2(略)正解
正解: 5
偽証罪 (刑法 169 条) の成立要件に関する基本論点を 5 肢にまとめた問題。判例実務に従って各肢を検討すると、宣誓の適法性に関する肢 5 だけが正しい。
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誤り。判例は、被告人が自己の刑事事件について他人を教唆して偽証させた場合、偽証罪の教唆犯が成立する とする。被告人自身が自己の刑事事件で虚偽を述べても偽証罪の主体となり得ない (証人適格を欠き、また自己負罪拒否特権が及ぶ) ことと、他人を教唆して偽証させる行為の可罰性は別問題であり、防御権の濫用として教唆犯成立を肯定するのが判例の立場である。
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誤り。偽証罪の「虚偽の陳述」の意義について、判例・通説は 主観説 (記憶反対説) に立つ。すなわち、証人が殊更記憶に反する陳述をすれば、たとえ陳述内容が客観的真実と一致していても偽証罪は成立する。「客観的真実と一致していれば国の審判作用は害されない」という客観説 (真実反対説) の立論は判例の採るところではない。
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誤り。証人が自己の刑事事件に関する事項について証言を求められた場合、刑事訴訟法上の証言拒絶権 (自己負罪拒否特権) を行使して証言を拒むことができる。しかし、証言拒絶権を行使せずに宣誓したうえで虚偽の陳述をした場合は、偽証罪が成立する というのが判例の立場である。証言拒絶権はあくまで「証言を拒む権利」であって「宣誓の上で虚偽を述べる権利」ではないからである。
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誤り。偽証罪は 抽象的危険犯 と解されており、虚偽の陳述がなされた時点で構成要件該当性が認められる。陳述内容が裁判の結果に影響を与えたか否か、つまり国の審判作用に対する具体的危険・現実の侵害が発生したか否かは、偽証罪の成立に影響しない。
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正しい。偽証罪は「法律により宣誓した証人」が虚偽の陳述をすることを構成要件とする (刑法 169 条)。判例は、ここでいう「宣誓」は 適法になされたもの でなければならないとし、刑事訴訟法 155 条 1 項により宣誓させてはならない者 (宣誓の趣旨を理解することができない者) に誤って宣誓させた場合の宣誓は不適法であって、その者が虚偽の陳述をしても偽証罪は成立しないとする。
よって正しいのは肢 5 のみであり、正解は 5。