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司法試験予備試験 / 刑法・刑事訴訟法(短答)

2023年 司法試験予備試験 刑法・刑事訴訟法(短答式) 第26問 解説

  • 一事不再理・既判力
  • 判例
  • 再審

解説

AI 生成

この解説は AI が生成したものです。誤りが含まれる可能性があるため、条文・判例などの一次資料を必ず確認のうえ、最終的な判断はご自身で行ってください。

問題と選択肢

〔第26問〕(配点:2)

裁判の効力に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。ただし、判例がある場合には、それに照らして考えるものとする。(解答欄は、[№40])

ア.被告人Aが甲を殺害した旨の訴因について有罪判決が確定した後、検察官は、BがAと共謀の上で甲を殺害した旨の事実でBを起訴することができる。

イ.有罪の確定判決について、再審開始の決定が確定したとしても、再審の判決が確定するまでは、再審の請求の対象となった確定判決は、その効力を失わない。

ウ.殺人被告事件で勾留中の被告人につき無罪判決が宣告された場合、その判決宣告の時点で、被告人に対する勾留状はその効力を失う。

エ.殺人罪の訴因について無罪判決が確定した後、検察官が被告人の有罪を立証するに十分な新たな証拠が発見されたとして、再度、同事件の被告人を同一事実で起訴した場合、裁判所は、改めて審理し、有罪の判決をすることができる。

オ.告訴がないまま起訴された器物損壊事件において、公訴棄却の判決が確定した場合、検察官は、その後に被害者から告訴を得たとしても、再度、同事件の被告人を同一事実で起訴することはできない。

  1. 1.アイ
  2. 2.アウ
  3. 3.イエ
  4. 4.ウオ
  5. 5.エオ正解

正解: 5

裁判の効力に関する横断問題。一事不再理効の主観的範囲、再審制度の段階構造、勾留状の失効事由、形式裁判の確定力を条文構造から整理する。

ア. 正しい。確定判決の一事不再理効 (憲法 39 条後段、刑訴法 337 条 1 号) は 当該被告人個人 にのみ及び、共犯者には及ばない。Bに対する公訴は別個の被告人に対する別個の訴訟であり、前訴の一事不再理効の主観的範囲外であるから、検察官はBを共謀共同正犯として起訴できる。

イ. 正しい。再審は 再審の請求 → 再審開始の決定 → 更に審判 → 再審の本案判決 という段階で進む。再審開始の決定が確定しただけでは旧確定判決の効力は失われず、刑訴法 451 条 1 項により裁判所は「更に審判」を行い、その結果として新たな判決が確定して初めて旧判決が取り消されうる。刑訴法 448 条 2 項が再審開始決定の際に裁量で刑の執行停止を できる と定めるのも、開始決定が当然には旧判決の効力を失わせないことを前提とする規定である。

ウ. 正しい刑訴法 345 条は無罪・免訴・刑の免除・刑の全部の執行猶予・公訴棄却 (338 条 4 号によるものを除く)・罰金又は科料の裁判の 告知 があったときに勾留状が効力を失う旨を定める。失効の起点は判決確定時ではなく 宣告時 であるから、殺人被告事件で勾留中の被告人につき無罪判決が宣告された時点で、勾留状はその効力を失う。

エ. 誤り。無罪判決が確定した後の同一事実の再起訴は、憲法 39 条後段の二重の危険禁止に抵触する。刑訴法 337 条 1 号は「確定判決を経たとき」を免訴事由とし、裁判所は実体審理に入ることなく免訴判決で打ち切らなければならない。再審制度 (刑訴法 435 条柱書) は「有罪の言渡しをした確定判決」に対する被告人有利な救済として組み立てられており、検察官側からの新証拠を理由とする再起訴・再審は予定されていない。「改めて審理し、有罪の判決をすることができる」とする本肢は誤り。

オ. 誤り。器物損壊罪は親告罪 (刑法 261 条、264 条)。告訴を欠いた起訴に対する公訴棄却判決は刑訴法 338 条 4 号 (公訴提起の手続が規定に違反し無効) を根拠とする 形式裁判 であり、実体的確定力 (一事不再理効) は及ばない。よって、後に被害者から告訴を得て訴訟条件が充足されれば、検察官は同一事実で再度起訴できる。なお、刑訴法 340 条が再起訴を「あらたに重要な証拠を発見したとき」に限定するのは、公訴の取消しによる公訴棄却 決定 (339 条 1 項 3 号) が確定した場合に限られる規定であり、本肢の場面 (告訴欠缺による公訴棄却判決 = 338 条 4 号) は射程外である。

よって誤っているのはエ・オの組合せ。正解は 5

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