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司法試験予備試験 / 刑法・刑事訴訟法(短答)

2023年 司法試験予備試験 刑法・刑事訴訟法(短答式) 第17問 解説

  • 捜索・差押
  • 逮捕・勾留

解説

AI 生成

この解説は AI が生成したものです。誤りが含まれる可能性があるため、条文・判例などの一次資料を必ず確認のうえ、最終的な判断はご自身で行ってください。

問題と選択肢

〔第17問〕(配点:3)

次のⅠ及びⅡの【見解】は、刑事訴訟法第220条第1項第2号及び同条第3項が、被疑者を逮捕する場合において必要があるときは、「逮捕の現場」で令状を必要とせずに捜索差押えをすることができるとしている根拠に関する考え方を述べたものである。これらの【見解】に関する後記アからオまでの【記述】のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[№23])

【見解】

Ⅰ.逮捕の現場には証拠の存在する蓋然性が一般的に高いため、裁判官による事前の令状審査を行う必要性がないことを根拠とする見解

Ⅱ.逮捕の際には被逮捕者により証拠が隠滅されるおそれが高いため、これを防止して証拠を保全する緊急の必要性があることを根拠とする見解

【記述】

ア.Ⅰの見解に立っても、Ⅱの見解に立っても、捜索差押えの対象となる証拠は、逮捕の理由とされた被疑事実と関連する物に限られる。

イ.Ⅰの見解に立つと、捜索差押えをすることができるのは、証拠が存在する蓋然性が一般的に高いと認められる場所においてであると考えることになるため、逮捕が被疑者の隣人方でなされた場合、当該隣人方のほか、被疑者方でも捜索差押えを実施することができる。

ウ.Ⅰの見解に立っても、逮捕が被疑者ではない第三者の住居でなされた場合、逮捕の理由とされた被疑事実に関する証拠の存在を認めるに足りる状況がなければ、当該住居で捜索差押えを実施することは違法であり、許されない。

エ.Ⅱの見解に立つと、捜索差押えをすることができるのは、逮捕の際に被疑者が証拠を隠滅することが可能な場所においてであると考えることになるため、逮捕が被疑者方の一室でなされた場合に、捜索差押えができるのは、逮捕がなされた時点で被疑者の手が届く場所に限られ、当該一室全体において実施することができるとは考えられない。

オ.Ⅱの見解に立つと、捜索差押えの要件として、被逮捕者が証拠を隠滅する具体的な危険が認められることが要求されることになる。

  1. 1.アウ正解
  2. 2.アエ
  3. 3.イウ
  4. 4.イオ
  5. 5.エオ

正解: 1

刑訴法 220 条 1 項 2 号・3 項の「逮捕の現場」での無令状捜索差押を認める根拠について、Ⅰ 蓋然性説 (証拠存在の蓋然性が一般的に高いため事前審査不要) と Ⅱ 緊急性説 (証拠隠滅防止の緊急性) の二説の内的論理を問う学説整理問題。

ア. 正しい。両見解とも、無令状捜索差押の対象は 逮捕の理由とされた被疑事実に関する証拠 に限られる。Ⅰ 見解では、蓋然性が一般的に高いと評価されるのは「当該逮捕被疑事実についての証拠」であり、その蓋然性を根拠に令状審査を省略するのだから、対象も当該被疑事実関連物に限定される。Ⅱ 見解でも、防止すべきは「当該被疑事実についての証拠の隠滅」であり、対象範囲は当該被疑事実関連物に限られる。別罪証拠まで及ぶと解すれば、令状主義 (憲法 35 条) の潜脱を招く。

イ. 誤り。Ⅰ 見解で蓋然性が認められるのは「逮捕の現場 = 逮捕がなされた場所」自体であって、そこから派生する別の場所ではない。隣人方で逮捕したのであれば、Ⅰ 見解の射程は当該隣人方に及ぶにとどまり、被疑者方は「逮捕の現場」ではないから、Ⅰ 見解の論理から被疑者方の捜索差押を導くことはできない。

ウ. 正しい。Ⅰ 見解は「逮捕の現場には 一般的に 証拠存在の蓋然性が高い」という類型的判断を基礎にする。被疑者ではない第三者住居で逮捕がなされた場合は、被疑者に帰属する被疑事実関連証拠が当該住居内に存在する一般的蓋然性が類型としては成立しにくい。したがって、Ⅰ 見解に立っても、被疑事実に関する証拠の存在を認めるに足りる具体的状況がなければ、当該住居での無令状捜索差押は許容範囲を超え違法となる。

エ. 誤り。Ⅱ 見解は被逮捕者による証拠隠滅防止を根拠とするが、隠滅可能範囲を「逮捕がなされた瞬間に被疑者の手が届く範囲」に限定するのは厳格すぎる。逮捕時の被疑者は、逮捕直前まで当該一室全体にアクセス可能であり、当該一室全体について証拠隠滅のおそれが類型的に認められる。Ⅱ 見解からも、被疑者が逮捕された一室全体に捜索差押が及ぶと解するのが素直であり、本肢の限定は Ⅱ 見解の通常の帰結ではない。

オ. 誤り。Ⅱ 見解は「逮捕の場面では類型的に証拠隠滅のおそれが高い」という一般的・類型的判断を根拠にするものであり、個別事案ごとに「具体的な隠滅の危険」を要件として要求するものではない。個別具体的な危険性まで要件化すれば、その判断のために事前審査が事実上必要となり、令状不要の根拠としての説明力を失う。Ⅱ 見解の通常の整理では具体的危険までは要求されない。

よって正しいのはア・ウ → 正解は 1。

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