最高裁判所第二小法廷

金銭の占有 = 所有 原則

最二小判 昭和39年1月24日 ・ 集民71号331頁 (判時365号26頁、 判タ160号66頁併載)

裁判年月日
1964-01-24
事件番号
昭和38年(オ)第146号 (仮差押に対する第三者異議事件)
出典
集民71号331頁 (判時365号26頁、 判タ160号66頁併載)

事案の概要

AI 要約

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仮差押に対する第三者異議事件において、 金銭の所有権の特殊性を判示した代表判例。 第二小法廷は、 金銭は特別の場合 (封金など個性を保った金銭) を除き、 物としての個性を有せず、 単なる価値そのものとして観念すべきであり、金銭の所有権者は特段の事情のないかぎりその占有者と一致すると解すべきとした。そして、 金銭を現実に支配して占有する者は、 それをいかなる理由によって取得したか、 またその占有を正当づける権利を有するか否かにかかわりなく、 価値の帰属者すなわち金銭の所有者とみるべきものであると判示した。 これにより、金銭については「占有あるところに所有権あり」 の原則 (占有 = 所有理論) が確立し、 即時取得 (192 条) を介さずに占有者に所有権が認められる。 不当に金銭を取得した者に対する救済は、 物権的返還請求権ではなく不当利得返還請求権 (703 条・704 条) による金銭債権として処理されることになる。 もっとも本判決は「特別の場合を除き」「特段の事情のないかぎり」 と留保しており、 封金・寄託・委任等で個性を保った金銭については占有者と所有者が分離する余地を残す。

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