〔第16問〕(配点:3)
違憲判断の方法に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[No.32]から[No.34])
ア.最高裁判所は,公務員による政党機関誌の配布が国家公務員法違反に問われた堀越事件(最高裁判所平成24年12月7日第二小法廷判決,刑集66巻12号1337頁)において,被告人の配布行為には公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められず,当該配布行為に罰則規定が適用される限りにおいて憲法第21条第1項及び第31条に違反すると判示した。[No.32]
イ.最高裁判所は,市有地を無償で神社施設の敷地利用に供していた行為が政教分離原則に違反するかが問われた空知太神社訴訟(最高裁判所平成22年1月20日大法廷判決,民集64巻1号1頁)において,同じ市による別の神社敷地の譲与行為に対する合憲判断と異なり,当該事案における敷地利用提供行為については憲法第89条及び第20条第1項後段に違反すると判示した。[No.33]
ウ.最高裁判所は,郵便法の損害賠償責任免除・制限規定が憲法第17条に違反するかが問われた訴訟(最高裁判所平成14年9月11日大法廷判決,民集56巻7号1439頁)において,当該事案では郵便業務従事者の重過失により損害が生じており,郵便法はそのような場合にまで賠償責任の免除・制限を予定するものではないので,郵便法の上記規定が当該事案に適用される限りにおいて憲法第17条に違反すると判示した。[No.34]
No.32
No.33
No.34