最高裁判所第二小法廷
正当防衛の急迫性
最決 平成29年4月26日 ・ 刑集71巻4号275頁
行為全般の状況による総合判断
- 裁判年月日
- 2017-04-26
- 事件番号
- 平成28(あ)307
- 出典
- 刑集71巻4号275頁
事案の概要
AI 要約この概要は AI が生成した事案の把握用ノートです。法的解釈や判旨の要約ではありません。 判旨・理由付けは必ず判決全文を確認してください。
被告人が侵害を予期した上で凶器を準備して対抗行為に及んだ事案で、刑法 36 条の正当防衛における侵害の急迫性要件をどのように判断するかが争われた。最高裁第二小法廷は、侵害を予期した上での対抗行為については、刑法 36 条の急迫性は対抗行為に先行する事情を含めた 行為全般の状況 に照らして検討すべきとし、 (i) 行為者と相手方の従前の関係、(ii) 予期された侵害の内容、(iii) 侵害の予期の程度、(iv) 侵害回避の容易性、(v) 侵害場所に出向く必要性、(vi) 同所に留まる相当性、(vii) 対抗行為の準備状況 (特に凶器の準備の有無や種類)、(viii) 実際の侵害行為の内容と予期との対比、(ix) 侵害に臨んだ行為者の状況と意思内容などの諸要素を具体的事情に照らして総合考慮し、刑法 36 条の趣旨に照らし許容されない場合には急迫性を欠くと判示した。従来の「積極的加害意思」 のみを基準とする判断枠組み (最決昭52.7.21 等) を発展させ、行為全般の状況による総合判断を明示した重要決定。「侵害の予期 + 凶器準備があれば予期の程度にかかわらず一律急迫性欠如」 とする一律否定の整理を退け、総合判断を採用した。