最高裁判所第三小法廷
とらわれの聴衆事件
最判 昭和63年12月20日 ・ 判時1302号94頁
大阪市営地下鉄商業宣伝放送 + 聞きたくない自由 + 13 条
- 裁判年月日
- 1988-12-20
- 事件番号
- 昭和58年(オ)第1022号
- 出典
- 判時1302号94頁
事案の概要
AI 要約この概要は AI が生成した事案の把握用ノートです。法的解釈や判旨の要約ではありません。 判旨・理由付けは必ず判決全文を確認してください。
大阪市営地下鉄を利用する乗客 X が、 走行中の列車内における商業宣伝放送が乗客 として拘束された状態を利用して聴取義務がない放送を一方的に強制するもので あって、 人格権を著しく侵害するとして、 大阪市に対し商業宣伝放送の差止めおよび 放送中止までの慰謝料 (1 か月 1000 円) を請求した事案。 最高裁第三小法廷は、 (1) 市営地下鉄の列車内における商業宣伝放送は、 業務放送の後に「次は○○前 です。」 又は「○○へお越しの方は次でお降りください。」 という企業への降車駅 案内を兼ね、 一駅一回五秒を基準とする方式で行われ、 一般乗客にそれ程の嫌悪感 を与えるものではないなど原判示の事情の下においては、 これを違法ということ はできない、 と判示 (上告棄却)。 多数意見は「聞きたくない自由」 が憲法 13 条 で保障されるか否かに明確には踏み込まず、 単に違法性を否定した。 伊藤正己 裁判官補足意見 は、 公共の場所での放送と公共交通機関内での「とらわれた 聞き手」 の問題を区別し、 公共交通機関の利用者は通常利用せざるをえず利用中 に離脱できないから「とらわれ」 た状態にあると指摘、 とらわれの聞き手への情報 伝達は プライバシーの利益との調整を考える際の一つの要素 となるべき、 と 述べた。 補足意見は「人格的利益・プライバシー利益として一定の保護があり得る」 と整理しつつ、 これを 精神的自由として強く 13 条で保障する立場は採用していない 点に注意。 司法試験・予備試験で「13 条 + プライバシー権 + とらわれの聞き手」 論点のリーディングケース。
関連条文
関連論点
- プライバシー権