〔第6問〕(配点:2)

不動産物権変動に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.6])

ア.Aがその所有する甲建物をBに売却した場合において、甲建物の保存登記が未了であったときは、Bは、自己名義の登記がなくても、所有権の取得を第三者に対抗することができる。

イ.甲土地を所有するAが死亡して子B及びCが相続し、BとCの遺産分割協議により甲土地はBの単独所有とされた。その後、Cが、甲土地につきCの単独所有とする登記をした上で、これをDに売却したときは、Bは、Dに対し、甲土地の単独所有権の取得を対抗することができない。

ウ.Aがその所有する甲土地にBのために地上権を設定し、その旨の登記がされない間に甲土地にCのために抵当権を設定してその旨の登記がされた後、Bの地上権の設定の登記がされた。この場合において、Cの抵当権が実行され、Dが甲土地を買い受けてその旨の登記がされたときは、Bは、Dに対し、地上権の取得を対抗することができる。

エ.Aがその所有する甲土地にBのために抵当権を設定し、その旨の登記がされた場合において、その登記をCがBの知らない間に不法に抹消したときは、Bは、再度登記がされない限り、抵当権の設定を第三者に対抗することができない。

オ.Aがその所有する甲土地を相続人Bに承継させる旨の遺言をして死亡した場合には、Bは、Bと共にAを相続したCに対し、登記がなくても、甲土地の単独所有権の取得を対抗することができる。