最高裁判所大法廷
苫米地事件
最大判 昭和35年6月8日 ・ 民集14巻7号1206頁
衆議院解散 + 統治行為論 + 司法権の限界
- 裁判年月日
- 1960-06-08
- 出典
- 民集14巻7号1206頁
事案の概要
AI 要約この概要は AI が生成した事案の把握用ノートです。法的解釈や判旨の要約ではありません。 判旨・理由付けは必ず判決全文を確認してください。
第 3 次吉田内閣が昭和 27 年 8 月 28 日に憲法 7 条のみに基づいて衆議院を解散 した (いわゆる「抜き打ち解散」) ことについて、 解散によって議席を失った衆議院 議員 X (苫米地義三) が、 解散は憲法 69 条所定の事由なしになされたから無効 であるとして、 議員の地位確認と任期満了までの歳費の支払を求めた事案。 最高裁 大法廷は、 (1) 直接国家統治の基本に関する高度に政治性のある国家行為は、 たとえそれが法律上の争訟となり、 これに対する有効無効の判断が法律上可能で ある場合であっても、 かかる国家行為は裁判所の審査権の外にあり、 その判断は 主権者たる国民に対して政治的責任を負う政府・国会等の 政治部門の判断に委され、 最終的には 国民の政治判断に委ねられている、 (2) 衆議院の解散は極めて政治性 の高い国家統治の基本に関する行為であって、 かくのごとき行為について、 その 法律上の有効無効を審査することは 司法裁判所の権限の外にある、 と判示し、 上告棄却。 すなわち判旨は 法律上の争訟性は認めた上で (=「法律上の争訟と なり」「有効無効の判断が法律上可能である場合であっても」)、 統治行為論 に 基づき司法審査の対象外としており、 「法律上の争訟に当たらない」 (= 裁判所法 3 条の事件性を欠く) としたのではない点に注意。 我が国の判例として 統治行為 論 を正面から採用したリーディングケース。 司法試験・予備試験で「司法権の 限界 + 統治行為論 + 衆議院解散」 論点のリーディングケース。
関連条文
関連論点
- 裁判所・司法権