最高裁判所第一小法廷
不法原因給付の返還特約事件
最判 昭和28年1月22日 ・ 民集7巻1号56頁
- 裁判年月日
- 1953-01-22
- 出典
- 民集7巻1号56頁
事案の概要
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不法原因給付がされた後に、 給付者と受領者が任意にその原因契約を合意の上解除し、 給付物を返還する旨の特約をした場合に、 当該返還特約が有効で給付者が返還を請求できるか (民法 708 条が当事者の任意の返還合意まで禁ずるものか) が争われた事案。 当該特約に基づいて振り出された約束手形の金員の支払を求める本訴請求につき、 民法 708 条の適用の有無が問題となった。 最高裁第一小法廷は、民法 708 条は不法原因給付者の返還請求に法律上の保護を与えないという趣旨にとどまり、 受領者に給付物を法律上正当の原因あるものとして保留させる趣旨ではないとした。 したがって、 受領者が任意に給付を返還することはもちろん、 不法原因契約を当事者の合意の上解除してその給付を返還する特約をすることも同条の禁ずるところではなく、 当該特約は民法 90 条によって無効と解すべきものでもないとして、 当該返還特約に基づき振り出された手形金の支払を求める本訴請求に民法 708 条を適用する余地はないと判示した。