〔第2問〕(配点:3)

夫婦が婚姻の際に定めるところに従い夫又は妻の氏を称すると定める民法第750条の規定が,憲法第13条の規定に違反するか否かについて判示した最高裁判所の判決(最高裁判所平成27年12月16日大法廷判決,民集69巻8号2586頁)に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№2]から[№4])

ア.前記判決は,氏名について,その個人からみれば,人が個人として尊重される基礎であり,その個人の人格の象徴であって,人格権の一内容を構成するが,具体的な法制度を離れて,氏が変更されること自体を捉えて直ちに人格権を侵害し,違憲であるか否かを論ずるのは相当ではないとした。[№2]

イ.前記判決は,氏には,名とは切り離された存在として社会の構成要素である家族の呼称としての意義があるとの点を強調して,婚姻を含めた身分関係の変動に伴って自らの意思に関わりなく氏が改められるとしてもやむを得ないという結論を導いている。[№3]

ウ.前記判決は,現行の法制度の下における氏の性質等に鑑み,婚姻の際に「氏の変更を強制されない自由」が憲法上の権利として保障される人格権の一内容であるといえるとしつつも,結論として,民法第750条の規定が憲法第13条に違反するとまではいえないとした。[№4]

№3

№4

№2