〔第9問〕(配点:2)
第三者所有物没収事件判決(最高裁判所昭和37年11月28日大法廷判決,刑集16巻11号1593頁)に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[№20])
ア.前記判決は,被告人以外の第三者の所有物(以下「第三者所有物」という。)を没収する場合において,当該第三者に対し告知,弁解,防御の機会を与えることなくその所有物を没収することは,適正な法律手続によらないで財産権を侵害する制裁を科するに外ならない旨判示した。
イ.前記判決は,被告人に対する附加刑として科される第三者所有物に対する没収の言渡により,当該第三者の占有権が剥奪されるにとどまり,所有権剥奪の効果は生じないことを,その判断の前提としている。
ウ.前記判決では,第三者所有物について没収の言渡を受けた被告人は,その没収の裁判の違憲を理由として上告することができるとされた。
№20