〔第5問〕(配点:3)
いわゆる政教分離に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№11]から[№13])
ア.国公有地が特定の宗教的施設の敷地として無償提供された場合に政教分離原則に違反するか否かを判断するに当たり,当該宗教的施設の性格,当該無償提供に至る経緯及びその提供の態様については考慮に入れるべきであるが,これらに対する一般人の評価についてまで考慮に入れることは,多数者による少数者の宗教的抑圧につながるおそれがあるので相当ではない。[№11]
イ.宗教上の祝典,儀式,行事については,その目的が宗教的意義を持ち,その効果が宗教に対する援助,助長,促進又は圧迫,干渉等になるような行為であれば,憲法第20条第3項により禁止される「宗教的活動」に含まれるが,その判断に当たっては,社会通念に従って客観的になされなければならないから,行為者がどのような宗教的意識を有していたかについてまで考慮に入れるべきではない。[№12]
ウ.地方公共団体が町内会に対し特定の宗教的施設の敷地として公有地を無償で利用に供してきたところ,当該行為が政教分離原則に違反するおそれがあるためにこれを是正解消する必要がある一方で,当該宗教的施設を撤去させることを図るとすると,信教の自由に重大な不利益を及ぼしかねないことなどの事情がある場合には,当該町内会に当該公有地を譲与したとしても直ちに政教分離原則に違反するとはいえない。[№13]
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