〔第16問〕(配点:2)

次のアからオまでの各【記述】を判例の立場に従って検討した場合,後記の各【結論】との組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。なお,【結論】の詐欺罪には詐欺未遂罪も含むものとする。(解答欄は,[№27])

【記述】

ア.他人のためにその事務を処理する者が,任務に背いて,その他人を欺く行為をし,同人を錯誤に陥らせて財物を交付させた。

イ.他人を恐喝するに際して,脅迫文言の中に虚偽の部分があり,それも同人に畏怖の念を生じさせる一材料となって,その畏怖の結果として,同人に財物を交付させた。

ウ.新聞販売店から集金業務を委託されている集金員が,集金した購読料を同店に持ち帰らずに自己の用途に費消するつもりであるのに,これを秘して,正規の手続や方式に従って購読者から購読料を集金し,自己の遊興費に費消した。

エ.保険金を詐取する目的で,火災保険の付された自己所有の家屋に放火した。

オ.他人に売買代金として偽造通貨を行使し,同人を錯誤に陥らせて財物を交付させた。

【結論】

Ⅰ.詐欺罪のみが成立し得る。

Ⅱ.詐欺罪と他の罪の双方が成立し得る。

Ⅲ.詐欺罪は成立しない。

№27