〔第6問〕(配点:2)
学生A,B及びCは,監禁罪の客体に関して,次の各【見解】のうち,いずれか異なる見解を採り,後記【事例】について【会話】のとおり検討している。学生A,B及びCの採る見解として正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№13])
【見解】
ア.監禁されている時点で移動する一般的な能力がある者は,その時点で移動できなくても,監禁罪の客体となる。
イ.監禁されている時点で移動する一般的な能力があり,その時点で現実に移動できる者は,監禁罪の客体となる。
ウ.監禁されている時点で移動する一般的な能力があり,その時点で現実に移動でき,かつ,移動する意思がある者は,監禁罪の客体となる。
【事例】乙が窓のない部屋の中に一人でいたところ,甲は,午後1時から午後3時までの間,その部屋の唯一の出入口であるドアに外から施錠し,その間,乙がその部屋の外に出られないようにした。
【会話】
学生A.乙が甲による施錠に気付かなかった場合,B君が採る見解によれば,監禁罪は成立しますか。
学生B.成立します。
学生C.私が採る見解でも成立します。では,乙が午後0時30分頃に眠ってしまい,その後,午後2時頃に目覚めて,甲による施錠に気付かないまま午後4時まで室内で過ごした場合,A君が採る見解によれば,監禁罪は成立しますか。
学生A.成立しません。
学生B.私が採る見解では,結論はA君と異なります。では,今のC君の事例を少し修正し,乙が午後3時過ぎに目覚め,甲による施錠に気付かなかったという場合,C君が採る見解によれば,監禁罪は成立しますか。
学生C.成立しません。
№13