〔第4問〕(配点:2)
次の1から5までの各事例における甲の罪責について判例の立場に従って検討した場合、甲に窃盗罪が成立しないものはどれか。(解答欄は、[No.9])
No.9
1.甲は、V宅内において、Vが所在を見失っていたV所有の指輪を発見し、これを自己のものにしようと考えて無断で持ち去った。
2.甲は、Vが海中に取り落としたV所有の金塊について、Vからおおよその落下場所を教えてもらった上で回収を依頼され、Vの眼前で同所に潜り、同金塊を同所付近で発見したものの、これを自己のものにしようと考えて無断で持ち去った。
3.甲は、看守者のいない仏堂に所有者Vが据え置いてまつっていた仏像を、自己のものにしようと考えて無断で持ち去った。
4.甲は、Ⅴが乙から窃取した乙所有の腕時計を、これが盗品であることを知りながら自己のものにしようと考えて、Ⅴ宅に忍び込んで無断で持ち去った。
5.甲は、満員電車内において、乗客Vが網棚にかばんを置き忘れたままA駅で下車したのを目撃し、B駅で下車する際、同かばんを自己のものにしようと考えて無断で持ち去った。