大審院
心神喪失・心神耗弱の定義
大判 昭和6年12月3日 ・ 刑集10巻682頁
混合的方法、弁識能力・制御能力
- 裁判年月日
- 1931-12-03
- 出典
- 刑集10巻682頁
事案の概要
心神喪失の定義を明確に示した大審院判例。 判決は「心神喪失とは、 精神の障害により事物の理非善悪を弁識する能力なく、 またはこの弁識に従って行動する能力のない状態を指称する」 とし、 生物学的要素 (精神の障害) と心理学的要素 (弁識能力・制御能力) を組み合わせる形を示した。 先例 (大判大正15年10月5日) が生物学的要件を早発性痴呆に限定していたのに対し、 「精神の障害により」 と広く解した点が特徴とされる。 なお 心神耗弱の定義は本判例ではなく大判昭和10年4月24日 が「精神状態に障害があり、 弁識能力なく行動能力の著しく減退した状態」 として示したものである。 責任能力 (刑法 39 条) の出発点となる判例として司法試験・予備試験で引用される。
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関連条文
関連論点
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ソース
- 二次資料滝本シゲ子「刑事司法精神鑑定の研究 — 日本における制度の生成と展開」 OSIPP Discussion Paper DP-2010-J-003 (大阪大学大学院国際公共政策研究科)。 大判昭和6年12月3日 を心神喪失・心神耗弱の混合的方法判例として明示、 判旨逐語引用 + 刑集10巻682頁の出典明示
- 二次資料弁護士 岡本裕明 (東京弁護士会、 弁護士法人ダーウィン法律事務所)「責任能力を問われる?問われない?過去の判例から見るクレプトマニアの責任能力」。 心神喪失・心神耗弱の代表判例として昭和6年12月3日大審院判決を整理 (引用元では「最大判昭和6年12月3日」 と表記しているが、 同判例は大審院判決であり、 これは記事内の表記ミス。 判決日・内容自体は本判例で正しい)