最高裁判所第二小法廷

マンションエレベーター放火事件

最決 平成元年7月7日 ・ 集刑252号203頁

裁判年月日
1989-07-07
事件番号
昭和63(あ)1257
出典
集刑252号203頁

事案の概要

AI 要約

この概要は AI が生成した事案の把握用ノートです。法的解釈や判旨の要約ではありません。 判旨・理由付けは必ず判決全文を確認してください。

被告人が 12 階建集合住宅のマンション内に設置されたエレベーターのかご内で、ガソリンを染ませた新聞紙に火を放ち、かごの側壁として使用されている化粧鋼板表面の化粧シート (厚さ 0.1〜0.2 ミリの塩化ビニール樹脂シートを主体とするもの) 約 0.3 平方メートルを溶解・気化させて燃焼させ、一部は炭化状態に、一部は焼失させた事案。最高裁は、(a) 独立燃焼説: 放火罪における「焼損」とは、犯人の点けた火が媒介物を離れて目的物に独立して燃焼を継続するに至った状態をいい、目的物の効用喪失までを要しない、(b) 客体性: エレベーターはマンション本体と一体をなす建造物の構成部分であり、化粧鋼板表面の化粧シートであっても建造物の構成部分の焼損として「焼損」 に当たる、(c) 既遂時期: 当該約 0.3 平方メートルの焼損が独立燃焼に達した時点で、マンション全体を客体とする現住建造物等放火罪 (刑法 108 条) の既遂が成立する、と判示した。独立燃焼説の射程を、エレベーター内装のような比較的小規模な焼損事案にも及ぼした代表判例。司法試験対策で放火罪 (108 条) の「焼損」 概念・独立燃焼説・客体性 (建造物の構成部分) の代表判例。

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