〔第16問〕(配点:2)
債務不履行に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№16])
ア.動産の売買契約が締結され,その代金の一部が支払われた後で,当該売買契約が債務不履行を理由に解除された場合,売主は,受領した売買代金の一部を返還するに当たり,その受領の時からの利息を付す必要はない。
イ.売買代金の履行遅滞に基づく損害賠償請求において,同時履行の抗弁権が存在する場合には履行遅滞に陥らないとの見解に立つ場合,損害賠償を求める原告は,請求原因事実として自己の債務の履行又は履行の提供を主張立証しなければならない。
ウ.AB間で売買契約が締結され,Aが債務不履行に陥っている場合において,AがBに対して相当の期間を定めて契約を解除するかどうかを確答すべき旨の催告をしたにもかかわらず,Bがその期間内に解除の通知をしないときは,Aは,以後債務不履行責任を負わない。
エ.AがBに建物を賃貸し,BがAの承諾を得てCに同建物を転貸した場合において,AB間の賃貸借契約がBの債務不履行を理由とする解除により終了したときは,AがCに建物の返還を請求しても,Aが転貸借を承諾していた以上,BC間の転貸借契約におけるBのCに対する債務は履行不能とはならない。
オ.期限の定めのない金銭消費貸借契約の借主は,貸主が相当の期間を定めずに催告をしても,相当の期間を経過した時から履行遅滞の責任を負う。
№16