〔第14問〕(配点:2)
質権又は譲渡担保権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№14])
ア.同一の動産について複数の質権を設定することはできないが,同一の動産について複数の譲渡担保権を設定することはできる。
イ.動産を目的とする質権は占有改定の方法によるその動産の引渡しによっては効力を生じないが,動産を目的とする譲渡担保権はその設定契約によって設定され,占有改定の方法によるその動産の引渡しがあれば,譲渡担保権者は第三者に譲渡担保権を対抗することができる。
ウ.債権質の目的である債権の弁済期が到来した場合には,被担保債権の弁済期が到来していないときであっても,質権者は,債権質の目的である債権を直接に取り立てることができる。
エ.債権であってこれを譲り渡すにはその証書を交付することを要するものを質権の目的とするときは,質権の設定は,その証書を交付することによって,その効力を生ずる。
オ.動産を目的とする譲渡担保権が設定されている場合,その設定者は,正当な権原なくその動産を占有する者に対し,その動産の返還を請求することができない。
№14