〔第30問〕(配点:2)

Aが運転するタクシーとBが運転するタクシーが衝突する交通事故(以下「本件事故」という。)が発生し,Aが運転するタクシーの乗客Cが負傷し,Cに300万円の損害が生じた。本件事故についての過失割合は,Aが4割で,Bが6割であり,Cに過失はなかった。この事例に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№30])

ア.CがAに対して本件事故後3年以内に損害賠償を請求する訴訟を提起すれば,CのBに対する損害賠償請求権の消滅時効も中断する。

イ.BがCに対して損害賠償債務の弁済として100万円の支払をした場合には,Bは,Aに対し,40万円を求償することができる。

ウ.Bが,Cとの間で,BがCに対して200万円を支払うとともに,CがAの損害賠償債務及びBのその余の損害賠償債務を免除する旨の和解契約を締結した場合であっても,Cは,Aに対し,100万円の支払を求めることができる。

エ.Aに使用者Dがおり,Dが本件事故について使用者責任を負う場合において,DがCに対して損害賠償債務の弁済として300万円を支払ったときは,Dは,Aに対し,信義則上相当と認められる限度において求償することができる。

オ.Bに使用者Eがおり,Eが本件事故について使用者責任を負う場合において,AがCに対して損害賠償債務の弁済として300万円を支払ったときは,Aは,Eに対し,180万円を求償することができる。

№30