最高裁判所大法廷
加持祈祷事件
最大判 昭和38年5月15日 ・ 刑集17巻4号302頁
信教の自由と傷害致死
- 裁判年月日
- 1963-05-15
- 事件番号
- 昭和36(あ)485
- 出典
- 刑集17巻4号302頁
事案の概要
AI 要約この概要は AI が生成した事案の把握用ノートです。法的解釈や判旨の要約ではありません。 判旨・理由付けは必ず判決全文を確認してください。
真言宗の宗教教師である被告人が、精神異常を呈する被害者の平癒を祈願するため、本人を椅子に縛り付けるなどして線香護摩を焚き続ける加持祈祷の行を施行し、その結果、被害者を熱傷等により死亡させた事案。最高裁大法廷は、本件加持祈祷行為が 医療上一般に承認された精神異常者に対する治療行為とは到底認められない方法 で実施され、他人の生命・身体に危害を及ぼす 違法な有形力の行使 に当たり、被害者を死亡させた結果に照らせば、これは 著しく反社会的なもの であって、憲法 20 条 1 項の信教の自由の保障の限界を逸脱したものであると判示した。したがって、被告人の本件行為を刑法 205 条 (傷害致死) で処罰することは憲法 20 条 1 項に違反しない。基本的人権としての信教の自由は公共の福祉による制約に服し、宗教的動機ないし宗教行為としての性格があっても、その手段・態様が他人の生命・身体に危害を及ぼす反社会的なものであれば正当業務行為として違法性が阻却されないことを明らかにした判例。司法試験対策で信教の自由の限界・刑法 35 条 (正当行為) の射程・傷害致死罪 (刑法 205 条) の代表判例。