〔第3問〕(配点:2)

法の下の平等に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[No.3])

ア.尊属に対する尊重報恩は社会生活上の基本的道義であるが,このような自然的情愛ないし普遍的倫理の維持は,刑法上の保護に値するものではなく,尊属殺を通常の殺人よりも重く処罰する規定は,合理的な根拠に基づくものといえないから,憲法第14条第1項に違反する。

イ.国籍法の規定が,同じく日本国民である父から認知された子でありながら,父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得した者と異なり,父母が法律上の婚姻をしていない非嫡出子は同法所定の他の要件を満たしても日本国籍を取得することができないという区別を生じさせていることは,同規定の立法目的との合理的関連性を欠くものであり,憲法第14条第1項に違反する。

ウ.女性に対し6か月の再婚禁止期間を定める規定の立法目的は,父性の推定の重複を回避し,父子関係をめぐる紛争の発生を未然に防ぐことにあると解され,6か月の再婚禁止期間を設けることはこの立法目的との関連において合理性を有するから,憲法第14条第1項に違反しない。

No.3