〔第6問〕(配点:3)

集会の自由に関する次のアからウまでの各記述について,bの見解がaの見解の批判となっている場合には1を,そうでない場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[No.10]から[No.12])

ア.a.地方公共団体は,公の施設を利用して特定の集会が開かれることにより,その集会の主催者と敵対するグループ等とが衝突して,人の生命・身体・財産が侵害され,公共の安全が損なわれる危険がある場合には,公の施設の利用を不許可とすることができる。

b.主催者が集会を平穏に行おうとしているのに,その集会の目的や主催者の思想,信条に反対する他のグループ等がこれを実力で阻止し,妨害しようとして紛争を起こすおそれがあることを理由に公の施設の利用を拒むことは,憲法第21条の趣旨に反する。[No.10]

イ.a.所有権や管理権に基づく集会の規制が許されるかどうかの判断に当たっては,集会の場所が一般公衆が自由に出入りできるものであるときには,集会の自由の保障に可能な限り配慮する必要がある。

b.主張や意見を社会に伝達する自由を保障する場合には,その表現の場を確保することが重要な意味を持ち,特に,表現の自由の行使が行動を伴うときには,表現のための物理的な場所が提供されなければ,意見を受け手に伝えることができない。[No.11]

ウ.a.集会や集団行動については,公共の秩序を維持するため,又は公共の福祉が著しく害されることを防止するために一定の法的規制が必要であるから,集会等の時間,場所,方法を問わず,事前の許可を要すると条例で定めることもやむを得ない。

b.集会や集団行動が他人の権利と衝突することがあるとしても,その衝突の程度は集会等の具体的態様によって大きく異なるから,一律に事前の許可にかからしめることは集会の自由に対する過大な制約である。[No.12]

No.10

No.11

No.12