〔第13問〕(配点:3)
憲法第9条の解釈に関する次のアからウまでの各記述について,bの見解がaの見解の批判となっている場合には1を,そうでない場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[No.25]から[No.27])
ア.a.憲法第9条第1項は,侵略戦争を放棄しているが,自衛戦争は放棄しておらず,同条第2項にいう「前項の目的」とは,第1項の「国際紛争を解決する手段として」の戦争の放棄のみを指すから,自衛のための戦力の保持は禁じられていない。
b.自衛のための戦力と侵略のための戦力とを区別することは困難であり,戦力の保持を禁じた第2項の規定が無意味なものとなる。[No.25]
イ.a.憲法第9条第1項は,侵略戦争を放棄しているが,自衛戦争は放棄しておらず,同条第2項にいう「前項の目的」とは,第1項全体の精神,すなわち「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」を指し,第2項によって警察力を上回る実力の保持が禁じられている。
b.日本国憲法には,第66条第2項の文民条項を除き,戦争開始の決定手続や軍隊の編制に関する規定が存在しない。[No.26]
ウ.a.憲法第9条は,我が国が主権国として有する固有の自衛権まで否定するものではなく,自衛のために必要な最小限度の実力,すなわち自衛力の保持を禁じていない。
b.個人の正当防衛の権利とは異なり,国家が固有の権利として自衛権を有するということはできない。[No.27]
No.25
No.26
No.27