最高裁判所大法廷
全逓東京中郵事件
最大判 昭和41年10月26日 ・ 刑集20巻8号901頁
争議行為に付随する建造物侵入と違法性
- 裁判年月日
- 1966-10-26
- 事件番号
- 昭和39(あ)296
- 出典
- 刑集20巻8号901頁
事案の概要
AI 要約この概要は AI が生成した事案の把握用ノートです。法的解釈や判旨の要約ではありません。 判旨・理由付けは必ず判決全文を確認してください。
1958 (昭和33) 年春闘の際、全逓信労働組合の幹部らが東京中央郵便局で郵便物を取り扱う職員に対し、勤務時間内に職場集会へ参加するよう説得し、職員が職場を離脱した事案。郵便物の不取扱罪 (郵便法 79 条) と建造物侵入罪 (刑法 130 条) 等が争われた。最高裁大法廷は、勤労者の労働基本権 (憲法 28 条) を尊重しつつも、公共企業体等労働関係法 17 条 1 項違反の争議行為に付随する建造物侵入行為が 刑法上の違法性を一律に欠くものではない と判示した。違法性阻却事由の判断に当たっては、行為が同条項違反の争議行為に際しこれに付随して行われたものであるという事実を含めて、行為の具体的状況その他諸般の事情 を考慮に入れ、それが 法秩序全体の見地から許容されるべきものであるか否か を考察すべきとした。つまり、争議行為だから建造物侵入が一律に正当化されるという立場を否定し、目的・手段の相当性等を事案ごとに個別判断する枠組みを確立した。司法試験対策で正当行為 (刑法 35 条) ・争議行為と違法性阻却の関係を理解する上での代表判例。