〔第6問〕(配点:3)
文書偽造の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものを2個選びなさい。(解答欄は,[No.11],[No.12]順不同)
No.11,No.12(2つ選んでください)
1.偽造公文書行使罪の客体は,行使の目的で作成されたものでなければならない。
2.公務員である医師が,自己の勤務する市立病院の患者が裁判所に提出するための診断書に虚偽の病名を記載した場合,虚偽公文書作成罪が成立する。
3.行使の目的で,公務員の名義を冒用して公文書を作成したが,実際には当該公務員に当該文書の作成権限がなかった場合,当該文書が当該公務員の職務権限内で作成されたものと一般人が信じるに足る形式・外観を備えていれば,公文書偽造罪が成立する。
4.警察官から提示を求められたときに備え,偽造された自動車運転免許証を携帯して自動車を運転した場合,偽造公文書行使罪が成立する。
5.上司である公文書の作成権限のある公務員を補佐して公文書の起案を担当する公務員が,その地位を利用し,行使の目的で,その職務上起案を担当する公文書に内容虚偽の記載をした上,情を知らない上司に,当該文書の内容が真実であると誤信させ,これに署名押印させた場合,虚偽公文書作成罪は成立しない。