〔第3問〕(配点:3)
次の【事例】及び【判旨】に関する後記1から5までの各【記述】のうち,正しいものを2個選びなさい。(解答欄は,[No.7],[No.8]順不同)
【事例】
Xは,Aに電話を掛け,本来支払う必要のない違約金をAが支払わなければならない旨うそを告げた。Aはうそを見破ったが,警察官から,「だまされたふり作戦」(引き続き犯人側の要求どおりに行動しているふりをして犯人を現行犯逮捕しようとする捜査手法をいう。)に協力することを依頼された。Aはこれに応じ,現金を某所に送付するようにというXの指示に従ったふりをして,現金の代わりに模擬紙幣が入った荷物を同所に向けて発送した。その後,被告人は,Xから,報酬を支払う約束の下に荷物の受領を依頼され,詐欺の被害金を受け取る役割である可能性を認識しつつ,これを引き受け,「だまされたふり作戦」が開始されたことを認識せずに,上記場所で同荷物を受領し,警察官に現行犯逮捕された。
【判旨】
被告人は,本件につき,Xによる欺罔行為がされた後,「だまされたふり作戦」が開始されたことを認識せずに,Xと共謀の上,本件を完遂する上で欺罔行為と一体のものとして予定されていた受領行為に関与している。そうすると,「だまされたふり作戦」の開始の有無にかかわらず,被告人は,その加功前の欺罔行為を含めた本件につき,詐欺未遂罪の共同正犯としての責任を負うと解するのが相当である。
【記述】
No.7,No.8(2つ選んでください)