〔第2問〕(配点:4)
住居侵入等の罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し,正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからオの順に[No.2]から[No.6])
ア.甲は,警察署の敷地内に駐車中の捜査用車両のナンバーを把握しようと考え,外部から同敷地内への交通を制限するために設置され,内部をのぞき見ることができない構造になっている高さ2.5メートル,幅0.2メートルの同警察署の塀をよじ登り,その上に立った。この場合,甲には,建造物侵入未遂罪が成立するにとどまる。[No.2]
イ.甲は,窃盗の目的で,乙が所有し,その扉や窓に施錠して管理していた空き家に立ち入った。この場合,甲には,邸宅侵入罪が成立する。[No.3]
ウ.甲は,強盗の目的で,面識のない乙方に行き,その意図を隠しながら,玄関前で,「こんばんは。」と挨拶したところ,これを知人による来訪と勘違いした乙が,「どうぞ入ってください。」と答えたので,乙方内に立ち入った。この場合,甲には,住居侵入罪は成立しない。[No.4]
エ.甲は,乙会社が所有するビルに窃盗に入る目的で,同ビルに接しており,同社が設置した門扉及び金網フェンスによって,同ビルの利用のために供されるものであることが明示され,部外者の出入りが制限されている敷地部分に立ち入ったが,同ビルに立ち入る前に警備員に取り押さえられた。この場合,甲には,建造物侵入未遂罪が成立するにとどまる。[No.5]
オ.甲は,住居権者乙の意思に反し,乙方家屋に立ち入ったが,その後,乙から退去を求められたにもかかわらず数時間にわたって同家屋に居座った。この場合,甲には,住居侵入罪だけでなく,不退去罪も成立し,両罪は併合罪となる。[No.6]
No.2
No.3
No.4
No.5
No.6