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司法試験 / 刑法

2020年 司法試験 刑法 第15問 解説

  • 罪数
  • 判例

解説

AI 生成

この解説は AI が生成したものです。誤りが含まれる可能性があるため、条文・判例などの一次資料を必ず確認のうえ、最終的な判断はご自身で行ってください。

問題と選択肢

〔第15問〕(配点:3)

次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,誤っているものを2個選びなさい。(解答欄は,[No.26],[No.27]順不同)

  1. 1.甲は,火災保険金をだまし取る目的で,同居する家族が不在の間に,自宅に放火して焼失させ,その後,火災原因を偽って火災保険金の支払を受けた。この場合,甲には,現住建造物等放火罪及び詐欺罪が成立し,これらは併合罪となる。
  2. 2.甲は,強盗目的で,乙方に侵入した上,乙及び丙をそれぞれ殴打して緊縛し,その際,両名に怪我を負わせ,乙が管理していた現金100万円を強取した。この場合,甲には,住居侵入罪及び1個の強盗致傷罪が成立し,これらは牽連犯となる。正解
  3. 3.甲は,乙を教唆して丙占有の自動車を盗むことを決意させ,乙にこれを実行させた後,乙から頼まれて,同自動車を預かり保管した。この場合,甲には,窃盗教唆罪及び盗品等保管罪が成立し,これらは牽連犯となる。正解
  4. 4.甲は,乙を殺害して金品を強取しようと考え,甲の自宅内で乙を殺害して現金を強取した後,引き続き,その死体を自宅の床下に埋めて遺棄した。この場合,甲には,強盗殺人罪及び死体遺棄罪が成立し,これらは併合罪となる。
  5. 5.甲は,乙名義で預金口座を開設する目的で,同人に成り済まし,同人名義で口座開設申込書を作成し,これを銀行の係員に提出して,乙名義の預金通帳の交付を受けた。この場合,甲には,有印私文書偽造罪,同行使罪及び詐欺罪が成立し,これらは牽連犯となる。

正解: 2 と 3

罪数論 (刑法 54 条) の典型整理問題。手段・結果関係で結びつく行為は 牽連犯、別個独立に成立する罪は 併合罪 となる 1。被害者ごとの法益侵害は罪数を別個に数えるのが原則。

1. 正しい。火災保険金詐取目的の自宅放火と、その後の保険会社に対する詐欺は、放火が詐欺の 通常の手段 とは言えず時間的・場所的にも離れているため、手段・結果の牽連性 (刑法 54 条 1 項後段) は認められない。両罪は 併合罪 と整理される 2

2. 誤り。被害者ごとに法益侵害が独立して観念される身体犯では、被害者の数だけ罪が成立するのが原則。乙・丙それぞれを緊縛して負傷させているから、強盗致傷罪は 2 個 成立する。「1 個の強盗致傷罪」とする本肢は誤り (なお住居侵入罪と各強盗致傷罪は牽連犯の関係に立つ) 3

3. 誤り最判昭和24.7.30(窃盗教唆と賍物牙保事件) は、窃盗教唆罪と賍物牙保罪 (現・盗品等関与罪) は別個独立の犯罪であり、後者が前者に吸収されるものではないと判示した。両罪の関係は 牽連犯ではなく併合罪 であり、「牽連犯となる」とする本肢は誤り。

4. 正しい。強盗殺人後の死体遺棄は時間的・場所的には接着していても、死体遺棄が強盗殺人の 通常の手段または結果 ではないから牽連性を欠く。両罪は 併合罪 となる 2

5. 正しい。乙名義の口座開設申込書を偽造 (有印私文書偽造罪) → これを銀行係員に提出 (同行使罪) → 預金通帳の交付を受ける (詐欺罪) という一連の行為は、偽造 → 行使 → 詐取が 手段・結果関係 で連なる典型で、判例・通説は 牽連犯 と整理する 2

よって誤っているのは 2 と 3

Footnotes

  1. Wikipedia「罪数論」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BD%AA%E6%95%B0%E8%AB%96

  2. Wikipedia「牽連犯」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%BD%E9%80%A3%E7%8A%AF 2 3

  3. Wikipedia「観念的競合」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%B3%E5%BF%B5%E7%9A%84%E7%AB%B6%E5%90%88

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