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司法試験 / 刑法

2020年 司法試験 刑法 第18問 解説

  • 詐欺罪

解説

AI 生成

この解説は AI が生成したものです。誤りが含まれる可能性があるため、条文・判例などの一次資料を必ず確認のうえ、最終的な判断はご自身で行ってください。

問題と選択肢

〔第18問〕(配点:4)

詐欺罪に関する次の【見解】についての後記アからオまでの各【記述】を検討し,正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからオの順に[No.30]から[No.34])

【見解】規約上,会員である名義人のみがクレジットカードを利用できるものとされ,その利用者が会員本人であることの確認義務が加盟店に課されている場合,名義人に成り済まし,クレジットカードを利用して商品を購入する行為は,その利用が名義人から許されており,かつ,利用代金が規約に従い名義人において決済されることが見込まれるときであっても,詐欺罪が成立する。

【記述】

ア.この【見解】に対しては,名義人に依頼されてクレジットカードを利用して商品を購入した場合,詐欺罪の実質的違法性がなく,財産犯として処罰するのは行き過ぎであるとの批判が可能である。[No.30]

イ.この【見解】は,クレジットカード利用者と名義人の同一性が加盟店にとって商品交付の判断の基礎となる重要な事項に当たると理解している。[No.31]

ウ.この【見解】によれば,名義人に成り済ましてクレジットカードを利用して商品を購入する行為について,行為者が,当該名義人において現実に決済されるものと誤信していた場合でも,詐欺罪が成立し得ることとなる。[No.32]

エ.この【見解】は,名義人の個別的な信用を基礎としてクレジットカードシステムが構築されていることを前提に,個々の事案における詐欺罪の成否の判断において,加盟店の経済的損失の有無を重視するものである。[No.33]

オ.この【見解】に対しては,加盟店が名義人以外の利用であることを知りながら,クレジットカードの利用を認めた場合でも詐欺罪の既遂が成立することになり,妥当ではないとの批判が可能である。[No.34]

  1. 1正解
  2. 2
  3. 1正解
  4. 2
  5. 1正解
  6. 2
  7. 1
  8. 2正解
  9. 1
  10. 2正解

正解: アは 1、イは 1、ウは 1、エは 2、オは 2

クレジットカード規約上、会員本人のみがカードを利用でき、加盟店に本人確認義務が課されている事案で、名義人に成り済ましてカードを使用する行為に詐欺罪 (刑法 246 条) が成立するかを問う。本見解は 最決平成16.2.9(クレジットカード成り済まし詐欺事件) の判旨を学説化したもので、利用者と名義人の同一性 を欺罔行為の対象と捉え、名義人の許諾や決済見込みがあっても詐欺成立を認める立場である。

ア. 正しい。名義人から許諾を得て利用代金も決済される事案では、実質的に誰の財産も害されておらず、財産犯としての処罰は実質的違法性に欠けるとの批判は、本見解への批判として論理的に成り立つ 1

イ. 正しい。本見解は、規約上本人のみが利用可能で加盟店に本人確認義務が課されている以上、利用者と名義人の同一性 こそ加盟店が商品交付を判断する基礎となる重要事項であると理解する。これが本見解の核心であり、最決平成16.2.9 もこの構成を採る。

ウ. 正しい。本見解は、名義人による現実の決済見込みや行為者の決済誤信があっても詐欺罪の成否を左右しないとする。最決平成16.2.9 も、行為者が「名義人において決済されるものと誤信していたとしても、詐欺罪に当たる」と明示している。

エ. 誤り。本見解は 同一性の偽り を欺罔行為と捉える立場であり、加盟店の経済的損失の有無を成否判断の中心に据えるものではない。むしろ名義人による決済見込みがあって加盟店に経済的損失が生じない場合でも詐欺成立を認める点に特徴があるため、「経済的損失の有無を重視する」とする理解は本見解の論理と整合しない 2

オ. 誤り。加盟店が名義人以外の利用であることを知りながら利用を認めた場合、加盟店側に錯誤がなく、欺罔行為と財物交付との間に因果関係が認められないため、本見解の論理によっても詐欺罪は成立しない (せいぜい未遂)。したがって「既遂が成立する」ことを前提とする批判は、本見解の論理に対する批判として成立せず、空振りとなる 2

よって、正しい記述はア・イ・ウ、誤っている記述はエ・オ。

Footnotes

  1. Wikipedia「詐欺罪」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A9%90%E6%AC%BA%E7%BD%AA

  2. Wikibooks「刑法第246条https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%88%91%E6%B3%95%E7%AC%AC246%E6%9D%A1 2

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