司法試験 / 刑法
2019年 司法試験 刑法 第1問 解説
- 構成要件
- 判例
解説
AI 生成この解説は AI が生成したものです。誤りが含まれる可能性があるため、条文・判例などの一次資料を必ず確認のうえ、最終的な判断はご自身で行ってください。
▸問題と選択肢
〔第1問〕(配点:2)
不作為犯に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№1])
ア.不作為犯は,結果発生を防止しなければならない義務が法律上の規定に基づくものでない場合であっても,成立する余地がある。
イ.不作為犯は,死体遺棄罪についても成立する余地がある。
ウ.不真正不作為犯の故意は,結果の発生を意欲していなくても,認められる余地がある。
エ.不作為犯は,作為可能性がない場合であっても,成立する余地がある。
オ.不作為犯の因果関係は,期待された作為に出ていれば結果が発生しなかったことが,合理的な疑いを超える程度に確実であったといえない場合であっても,その可能性さえあれば,認められる余地がある。
- 1.アイ
- 2.アウ
- 3.イエ
- 4.ウオ
- 5.エオ正解
正解: 5
不作為犯 (とくに不真正不作為犯) の成立要件 (作為義務・作為可能性・故意・因果関係) を横断的に問う設問。
ア. 正しい。作為義務の発生根拠について、通説は法令・契約・事務管理・条理・先行行為・引受行為などから多元的に認める立場をとり、判例も同様の傾向を示す。たとえば 最決平17.7.4(シャクティ事件) は、自称治療師が患者の家族から治療を依頼されて引き受けた事実 (引受行為) を作為義務の根拠の一つとした。ゆえに作為義務は法律上の規定に限られない。
イ. 正しい。刑法 190 条 の死体遺棄罪は、葬祭義務を負う者が遺体を放置する不作為によっても成立しうると解されている。条文上も「遺棄した者」と規定され、作為のみに限定されない。
ウ. 正しい。故意は構成要件該当事実の 認識・認容 で足り、結果発生の意欲 (意図) までは不要であるとするのが通説・判例である。不真正不作為犯の故意も同様で、結果発生を意欲していなくても、結果発生の現実的危険を認識・認容していれば足りる。
エ. 誤り。作為可能性 (期待された作為を物理的・規範的に行いうること) は、不真正不作為犯の必須要件である。作為が不可能であった場合、不作為を作為と同視する前提を欠くため不作為犯は成立しない。「成立する余地がある」とする本肢は誤り。
オ. 誤り。判例は、不作為と結果との因果関係について、「期待された作為に出ていれば結果が発生しなかったことが 合理的な疑いを超える程度に確実 であった」ことを要求する (最決平元.12.15(覚せい剤注射放置事件))。救命の単なる「可能性」にとどまる場合は因果関係が認められない。「可能性さえあれば認められる余地がある」とする本肢は誤り。
よって誤っているのはエ・オの組合せ。正解は 5。