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司法試験 / 刑法

2019年 司法試験 刑法 第12問 解説

  • 業務妨害罪

解説

AI 生成

この解説は AI が生成したものです。誤りが含まれる可能性があるため、条文・判例などの一次資料を必ず確認のうえ、最終的な判断はご自身で行ってください。

問題と選択肢

〔第12問〕(配点:2)

業務妨害罪に関する次の【見解】についての後記1から5までの各【記述】のうち,誤っているものはどれか。(解答欄は,[№22])

【見解】

業務妨害罪は人の社会的活動の自由を保護法益とするものであるが,公務も人の社会的活動にほかならないから,公務の性質いかんにかかわらず,同罪によって保護されると解するのが妥当である。

【記述】

  1. 1.この【見解】に対しては,公務執行妨害罪という国家的法益に対する罪と業務妨害罪のような個人的法益に対する罪とを安易に混同するものであるとの批判が可能である。
  2. 2.この【見解】に基づけば,公務員と共に公務に従事する非公務員に暴行を加えてその公務を妨害した場合,威力業務妨害罪が成立すると考えることが可能である。
  3. 3.この【見解】に対しては,逮捕行為のような強制力を行使する権力的公務は,暴行にも脅迫にも至らない手段による妨害を受けた時にそれを自力で排除し得るから,そのような公務まで業務として保護する必要はないとの批判が可能である。
  4. 4.この【見解】に基づけば,公務が暴行又は脅迫によって妨害された場合,公務執行妨害罪は業務妨害罪の特別法という関係にあるから前者のみが成立すると考えることが可能である。
  5. 5.この【見解】に対しては,威力や偽計による公務の妨害は公務執行妨害罪にも業務妨害罪にも当たらないこととなり,公務が業務に比して刑法上軽い保護しか受けられないという不都合があるとの批判が可能である。正解

問題のリキャップ

与えられた【見解】は 業務妨害罪 (刑法 233 条刑法 234 条) は人の社会的活動の自由を保護法益とし、公務の性質を問わず公務も業務として保護される とする「公務全面保護説」。これに対する各記述 (この見解からの帰結 / 批判) の当否を判定する。

正解: 5 (誤り)

1. 正しい: 国家的法益と個人的法益の混同という批判

公務執行妨害罪 (刑法 95 条) は 国家の公務作用 を保護する国家的法益に対する罪、業務妨害罪は 個人の社会的活動の自由 を保護する個人的法益に対する罪である。両者を区別せず公務をすべて業務に取り込む見解には、保護法益の性質が異なるものを安易に同列視するとの批判が成立する。

2. 正しい: 非公務員への暴行による威力業務妨害が成立し得る

公務全面保護説に立てば、公務員と協力して公務に従事する非公務員も「業務」遂行者として保護される。よって、その非公務員に暴行を加えて公務を妨害した場合、威力業務妨害罪 (234 条) の成立を肯定し得る。

3. 正しい: 強制力を行使する権力的公務は自力排除可能ゆえ保護不要との批判

逮捕行為のように強制力を行使する権力的公務は、暴行・脅迫に至らない手段による妨害を自力で排除できるため、業務妨害罪による厚い保護を必要としないとする限定説 (公務一部限定説) からの典型的批判。公務全面保護説に対する妥当な批判として成立する。

4. 正しい: 暴行・脅迫の場面では公務執行妨害罪が特別法

公務全面保護説の論理を貫けば、公務が暴行・脅迫で妨害された場合に公務執行妨害罪と業務妨害罪の双方の構成要件が形式的に充足される。両者を特別法・一般法の関係と捉え、特別法たる公務執行妨害罪のみが成立する (= 業務妨害罪は一般法として後退) と整理することは、見解の枠組内で十分に可能。

5. 誤り: 威力・偽計による公務妨害は本見解では業務妨害罪で保護される

公務全面保護説は 公務の性質を問わず業務として保護する 立場。したがって威力・偽計による公務妨害は、公務執行妨害罪 (暴行・脅迫を要件とするため当たらない) では捕捉できなくても、業務妨害罪で保護される ことになり、刑法上の保護の隙間は生じない。

本肢はこの見解からは「業務妨害罪にも当たらない」として保護不足が生じるとの批判が可能とするが、これはむしろ公務一部限定説 (権力的公務を業務妨害罪の保護から除外) に対する批判である。公務全面保護説に向ける批判としては成立しない。よって誤り。


よって誤りは 肢 5。正解は 5

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